JOURNAL

SHOTA NAKAHACHI

後編

高いクオリティを常時提供する

記念すべき初回は施工集団”ORGAN CRAFT”を率いる渡曾竜也とも親交のある中鉢祥太さん。母親と花屋を営みながら、イベントや展示会の植物装飾を行っている。中鉢さんの考える”CRAFTSMAN SHIP”とは?

大切な人へ花や植物のおくりものを

渡會:フラワー業界に入ってから驚いたことはありますか?
中鉢:僕が言うととてもいやらしいですが花や植物が持つパワーですね。部屋もそうですけど、植物が入ると雰囲気やムードが全然違いますし、良くも悪くも一気に変わります。納品しておきながら、お客さんと一緒にビックリすることも少なくないんです。花束もプレゼントすると予想以上に喜ばれますよ。特に僕たちの世代だと、数年前までは花束を贈るのはキザっぽくって恥ずかしいって思っていて、男性から花束をもらったことがない女性も多いんです。なので、友達とかには営業抜きでオススメしています。リピーターも多いので、実感できているんだと思います。

渡會:僕の奥さんもかなり喜んでいました。
中鉢:ですよね、いつもありがとうございます。ポイント稼ぎ重要ですもんね(笑)。

作り手として、この先の事業展開に迫る

渡會:今後楽しみにしている仕事はありますか?
中鉢:洋服屋さんとのワークショップやイベントを予定しているのですが、毎回どんなことをするのが良いかをしっかり打ち合わせているので開催がとても楽しみです。年内にもいくつか開催しますので、ぜひインスタグラムをチェックしていただけたら(笑)。

渡會:宣伝(笑)。
中鉢:(笑)。それこそ宣伝っぽくなっちゃいますが。『ORGAN CRAFT』と進めている個人宅の植栽を始めとした今後の取り組みは楽しみですね。身近の人と一緒に仕事をする喜びはもちろんですが。密に話せる分、素敵な空間を演出できる気がしています。

渡會:よろしく頼みます!『ORGAN CRAFT』でもこだわりたい点は多いですからね。
中鉢:今って何でもレベルが高くなってきていると思うんですよ。植物とか洋服だけでなく、いろんなモノのチョイスがどんどんオシャレになっているというか。昔はこんなにシャレた家なんてたくさん建っていなかったし。そんなに敏感でなくても情報を得られる環境がありますからね。その中でデザインもコストもどれだけ粋な提案ができるかが、重要なのかなと思います。このタッグだからこそ出来ることをより多く作って、達成感をたくさん味わいたいですね。

渡會:ゆくゆくはお店も大きく?
中鉢:大きくしたいですね(笑)。とはいっても、店舗を大きくするというよりはスタッフを増やすという意味で大きくできたらと思いますね。というのも、大きい装飾や庭の仕事が入ると店をお休みすることも少なくなくて。「The Bulb Book」は町の花屋なので、常時オープンさせておきたいんです。とはいえまだまだ小さなお店なので、その為にも今は一生懸命目の前の仕事こなしていくだけですね。本音を言うと、ゆくゆくは自分のお店も作れたらいいなとは思っていますけど。

渡會:いいですね〜。その時はぜひ内装を『ORGAN CRAFT』で!
中鉢:もちろんです!

渡會:最後になりますがハチくんにとって“CRAFTSMANSHIP”とは?
中鉢:今の仕事をしていると、お金をいただく側でお客さんに感謝する立場なのに、それ以上に感謝されることが多いんです。これもまた花屋になって良かったと思える瞬間の一つですし、いい仕事だなって思います。ただ、お客さんの期待を超えるものを提供しないと、感謝されなくもなってしまうので、常に高いパフォーマンスを発揮する必要があります。その高いクオリティを常時提供できるのが“CRAFTSMANSHIP”なのかなと思います。まだまだ自分は経験不足で何もわかっていませんが、そこを目指していきたいです。

TEXT:Suguru Arao(Roaster)
Photo:Daisuke Kurihara(Roaster)

中鉢 祥太

http://the-bulb-book.wixsite.com/the-bulb-book

プロフィール:1986年生まれ、神奈川県出身。The Bulb Book 主宰。服飾の専門学校卒業後、某大手セレクトショップでアルバイト。その後、友人とともに横浜でアパレルショップを経営。2015年から母親がオーナーを務める横浜天王町の花屋「The Bulb Book」を手伝うようになる。近年では「THE CAMP BOOK」などフェス装飾も多数手がける。

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