CASE1：MIYAZAKIDAI
50㎡に満たない空間を、どう活かすか。
壁は最小限に、風がゆっくりと流れる。

延床約47㎡。限られた空間で、心地よさと機能性、そして余白をどう両立させるか。仕事でインテリアを扱う施主とともに、壁や建具を極力減らし、動線と視線の抜けを生かすプランを計画した。空間にゆるやかなつながりを持たせながら、それぞれの生活機能が破綻なく収まる住まいを実現した。

もともと、風の通りがいい部屋だった。
寝室からリビングへ流れる風が心地よく、廊下とリビングの隔たりをなくした。
寝室は、洗面側・廊下側の2方向からアクセス可能な回遊動線をとし、閉じすぎず開きすぎない距離感を確保した。個室的ではなく、各々がなだらかにつながる空間を意識した。

全体的に白をベースとし、壁はクロス、天井は躯体に白塗装で仕上げ、拡がりと統一感を持たせた。床は部分ごとに役割を明確にし、リビングと寝室にはカーペット、水回りには実用性を考慮しフロアタイルを採用。リビング側はカーペット、キッチン側をフロアタイルに切り替えたLDKは、この部屋の顔となっている。

収納に関しては、もともとリビング側に押し入れが一つあるのみだったが、出張が多い施主に合わせて玄関につづく、ゆとりあるクローゼットスペースを確保。キッチンにはパントリーを、洗面等にも収納できるスペースを用意した。

まだ引っ越しのタイミングで買い替えられていないものもあり、途中だというが、生活している中で、多くのものが目に入ってくるのは、あまり得意ではないという。そのため、パントリーやクローゼット、キッチン横の収納もオープンではなく、一歩踏み込まなければ見えないよう考慮した。

色々見ました。Pinterestなどで事例を見てましたが、その時々であれもいいな、これもいいなと気持ちの移り変わりが激しくて。結果として、白を基調としたシンプルなお部屋に家具がぽつんと置かれている事例をみて、これいいなと心が決まりました。
仕事柄、周りにクロスや床材などに詳しい同僚がいたため、色々とアドバイスをもらい、内装材に関しては、チョイスがはまった感がありました。

工事中の過程をずっと見ているわけではなかったので、進捗を見るたび、こうやって変化していくのかという感じでした。出来上がった時は、ぐっときましたし、もう出来上がったのかと徐々に実感が湧いてくる感じでした。

周りでリノベをした知人から話を聞いたりと、コロナ前から、かれこれ4、5年リノベを考えていましたが、実際に振り返ると、ここまで早かった気もするし、仕事をしながら打ち合わせなど良く乗り切ったなというのが正直な感覚です。住み心地は、すこぶるいいです。特にパントリーの使用感と寝室へのアクセスのしやすさが気に入ってます。天気がいいときは、リビングから富士山も見えますよ。

仕事柄、住む環境を重要視する類なので、やはり自分の希望を盛り込んだ家はいいですね。
おもしろいことに、自分の生活も変化しました。きちんと毎日お風呂に入ったり、整理したり笑。自分でもびっくりしてます。

大前提、次またリノベするなら違うテイストにはなると思います。玄関を広くしたかったですが、今回は配管の関係でできなかったので、次はやりたいです。こだわった分だけ、愛着が湧いてくると思うので、これからリノベする方には、とことんこだわってほしいと思います。