妥協をせず、作品に触れる人と自分の「胸の高鳴り」を大切に
2回目を迎えた “CRAFTSMANSHIP”。今回、お話を伺うのはオリジナリティあふれるデザインで多くの企業広告やWEBデザインなどを手がける、千原徹也さん率いるクリエイティブオフィス「れもんらいふ」に勤める永瀬由衣さん。“CRAFTSMAN”=“職人”にタスキを渡す役割のデザインという仕事ですが、永瀬さんの考える“CRAFTSMANSHIP”とは?
「れもんらいふ」での新たなチャレンジ
渡會:「ORGAN CRAFT」は 内装を創る会社なのですが、今まで内装を手がけたことはありますか?
永瀬:祐天寺にある「サロンアンド」という美容院のリニューアルを会社のスタッフみんなでやりました。コーヒースタンドを併設した、本が読める美容院にしたいというオーダーだったんです。スタッフ全員特に内装を勉強したことはなかったのですが、美容院のオーナーさん含めみんなであーでもないこーでもないと言いながら作っていましたね(笑)。
渡會:それは楽しそうですね! では、ご自身ひとりで家を作れるとしたらどんな家にしてみたいですか?
永瀬:クジラの形をした家が作りたい!! 目の部分を窓にしたりして、室内にはサメ1匹くらい飼える水槽があるとなおいいですね(笑)。
渡會:いいですね(笑)。実現できると思いますよ。
永瀬:ホントですか? では、いつか実現させましょう!
渡會:ところで「ORGAN CRAFT」を運営する「株式会社リペア」が「THE CAMP BOOK」というフェスを今年初開催したのですが、ご存知ですか?
永瀬:もちろんです(笑)!
渡會:失礼しました(笑)。
永瀬:来年度の「THE CAMP BOOK」で「れもんらいふ」はアートディレクション全般を担当させていただくことになったこともあって。
渡會:はい。よろしくお願いします(笑)。発注した後に聞くのもどうかと思いますが、今までフェスのお仕事はされたことがあるんですか?
永瀬:正直初めてだと思います(笑)。
渡會:初めてだからこそできることがいっぱいありますもんね。今からどんなものができあがるのか楽しみです!
永瀬:ちょっとプレッシャーですね(笑)。
渡會:初めて取り組むジャンルの時はどういったアプローチの仕方をするんですか?
永瀬:「THE CAMP BOOK」の場合は既に今年開催されているので、しっかりとした土台はあると思うんです。ですので、その核となるコンセプトは壊さずに、いかに「れもんらいふ」らしさを加えられるかということでしょうか。
渡會:「れもんらいふ」らしさというのはどういったものでしょうか?
永瀬:それは言葉にするのは難しいですね~。考えておきます(笑)。
デザインや作品に込める思い
渡會:では、永瀬さんらしいデザインとはどういったものですか?
永瀬:まだ達成できているかわかりませんが、ずっと見ていたいと思われるようなものを作りたいですね。見ている人がストーリーを想像できるようなものを目指していますし、デザインのその先にあるものを提示できるようにしたいです。
渡會:最後になりますが永瀬さんにとって“CRAFTSMANSHIP”とは?
永瀬:請け負った仕事は妥協せずに、常に相手の想像を超えるものを作るということでしょうか。妥協してしまうと、作品に触れる人も、私自身も“胸の高鳴り”がひとつ減ってしまうと思うんです。私たちの仕事は、わくわくさせることも重要なので、自分自身も楽しみながら仕事に取り組みたいですね。
永瀬 由衣
プロフィール:れもんらいふ所属。アートディレクター。女子美術大学 芸術学部 アート・デザイン表現学科 メディア表現領域 卒業。大学時代はファッションを専攻していたが、在学中にグラフィックデザインに興味を持つ。大学2年生時かられもんらいふにてインターンを経験。卒業後就職。現在は、企業広告、CDジャケットなど多彩な領域のデザインで活躍している。